九州電力株式会社
山口皓太さん(仮名・資材調達) 34歳
地域インフラへの貢献と、福岡に根差した生活。両方を実現し、充実の日々を送る。
大学卒業後、メーカー系の倉庫・物流会社に12年間勤務。現場の管理者として関西・九州・東京の各地で倉庫の立ち上げや品質改善など、現場起点の課題解決に数多く取り組んできた山口さん。
仕事にはやりがいを感じていた一方で、全国転勤がある前職では子育ての基盤を築きにくく、「今動かなければ選択肢が限られてしまう」との想いが強くなっていたという。そして、配偶者の地元であり、自身も4年間暮らして地域の魅力を実感していた福岡での転職を決意する。
現在は九州電力にて、電線や変圧器といった配電資材の物流に関する企画立案や改善提案を担当。社会に欠かせないインフラを支える仕事に携われることに大きなやりがいを感じているという。
さらに、家族と過ごす時間も増えたことで「この選択をして本当に良かったと、心から実感しています」と語る山口さんの転職ストーリーを紹介する。
※本記事の内容は、2025年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで135日間
転職前
- 業種
- 物流
- 職種
- 現場管理者
- 業務内容
- 倉庫の立ち上げ、協力会社の切り替え、品質改善、新規業務の構築など
転職後
- 業種
- 電力
- 職種
- ロジスティクスグループ(資材調達センター)
- 業務内容
- 配電資材の物流に関する企画立案・改善提案、資材倉庫へのDX導入やトラックの動線効率化、中長期的な戦略の立案など
家族とのこれからの生活を見据え、福岡への移住を決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
九州電力の業務本部 資材調達センター、ロジスティクスグループに所属し、電線や変圧器などの配電資材の物流に関する企画立案・改善提案を担当しています。
また、資材倉庫へのDX導入やトラックの動線効率化など、中長期的な戦略も含めて動いています。
災害時には現場と物資をつなぐ「命綱」として24時間体制の対応も担います。台風の直撃時などには、復旧資材の現場への輸送支援やNEXCOと連携して緊急車両の通行許可を取るなど、電力インフラを裏方から支えています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後、メーカー系の倉庫・物流会社に12年間勤めました。その間、現場の管理者として関西・九州・東京と拠点を変えながら、倉庫の立ち上げ、協力会社の切り替え、品質改善、新規業務の構築など、現場起点の課題解決に多く取り組んできました。
転職のきっかけは?
娘が2人いるのですが、当時4歳と2歳で、これからの暮らしを考えたときに、生活の拠点を定めたいという想いが強くなりました。
全国転勤のある前職では、子育ての基盤づくりが難しく、妻も正社員として働きにくい状況が続いていました。35歳という年齢も節目に感じ、「今動かないと選択肢が狭まってしまう」という焦りもありました。
福岡は妻の地元で、私自身も過去に4年間暮らした経験があり、温かい人柄、受け入れてくれる雰囲気、食文化の豊かさなど、大好きな場所でした。そのため、生活拠点を福岡に移すのであれば、できれば福岡に根差した地元企業で働きたいという想いがありました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初は大手の求人サイトや紹介会社を利用していましたが、全国の情報ばかりで、私が希望していた「福岡本社企業」の求人はほとんど見つかりませんでした。
このままでは思うように進まないと感じ、「福岡 Uターン 転職」と検索したところ、リージョナルキャリア福岡を見つけ、エントリーしました。するとすぐに、コンサルタントの瀬川さんからご連絡をいただきました。
「とにかくたくさん応募しましょう」と言われる大手のスタイルとは異なり、面談ではただ求人を紹介されるのではなく、「なぜ転職したいのか」「どのような暮らしを目指しているのか」といった本質的な部分に丁寧に耳を傾けてもらえたことが、とても印象に残っています。
また、九州電力のキャリア採用の選考過程において、職務経歴書や志望理由について客観的な指摘をいただけたのは本当にありがたかったです。
自分ではうまく言語化できずにいたモヤモヤした部分が明確になり、さらには自分では気づいていなかった「こんな一面もあるのか」という新たな発見もありました。
今の会社に決めたポイントは?
前職を選んだ理由の一つに、東日本大震災で感じた「社会インフラを支える仕事がしたい」という思いがありました。九州電力も同じく、電気という社会に不可欠なインフラを支える存在。その役割に大きな意義を感じたのが第一です。
また、面接の中で出会った社員の方々が口をそろえて「九州のために働いている」と語っていたことも心に残っています。「この会社なら、同じ方向を見て仕事ができる」と感じたのが決め手となりました。
やりがいのある仕事だけでなく、家族との時間も増えてプライベートも充実。
転職していかがですか?
想像以上に活気がある職場です。電力会社というと少し堅い印象を持っていたのですが、若手社員が自発的に改善提案を出したり、新しい仕組みづくりに取り組んだりと、職場に前向きなエネルギーがあります。
私自身も、現場改善や倉庫業務の経験を活かしながら、新しい風を吹き込めている実感があります。意見も通りやすく、フラットに話せる風土があるのはありがたいですね。
転職して良かったと思うことは?
繰り返しになりますが、仕事面においては、社会に不可欠なインフラを支える仕事に携われていることに加え、活気のある職場で周囲から多くの刺激を受けられることが、モチベーションの向上につながっていると実感しています。
また、プライベートでは、家族と過ごす時間が圧倒的に増えたことが大きな変化です。
以前は帰宅が遅く、子どもの寝かしつけに間に合わない日も多かったのですが、今では一緒に夕食を取り、お風呂に入り、寝る前に絵本を読む時間も持てています。
上の娘から「お父さんとごはんが食べられてうれしい」「一緒に寝られてうれしい」と言われたときには、本当にこの選択をして良かったと心から感じました。
困っていることや課題はありますか?
困っているというわけではありませんが、電力会社は社会的責任が非常に重い業界であるため、法令順守や社内規則が極めて厳格に運用されています。
社内のルールや手順、マニュアルに加え、業界特有の専門用語も多く、業務全体を理解し、スムーズに対応できるようになるまでには、ある程度の時間が必要だと感じています。
生活面の変化はありましたか?
仕事だけでなく、暮らし全体が穏やかで豊かになったと感じています。通勤時間も短くなり、子どもたちのお弁当を作ったり、皿洗いをしたりと、夫婦で家事を分担しやすくなったことも大きな変化です。
生活の基盤が整ったことで、妻も仕事やキャリアの選択肢が広がり、良い方向に進んでいると感じています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「なぜ転職するのか」という軸を明確にし、それを自分の言葉でしっかりと語れることが、何よりも大切だと思います。
家族や周囲の支え、コンサルタントの方のサポートも心強いものですが、少し大げさに聞こえるかもしれませんが、転職活動は孤独な闘いです。だからこそ、ブレない強い意志や明確な軸が本当に重要だと感じました。
私の場合、その軸は「家族とどう生きていきたいか」という想いでした。その想いを最後まで大切にできたことで、迷わず前に進むことができたと思います。
転職は、自分の人生をどう描いていきたいかを見つめ直す貴重な機会です。もちろん年収などの条件も大切ですが、何よりも「自分自身の素直な気持ち」にしっかり向き合ってほしいですね。